02 少しの自信
1年目の思い出 02
初めてのお買い物♪である。みんなの初めてもこんな感じだったのかな?と思いつつ、その時のことを書いてみました。
ずいぶん長い間、ベンチに座り、重たい荷物から肩を楽にさせて、空港から旅を始める人たちの楽しそうな姿を見るのはとても眩しく、自分の非力ぶりが浮き彫りに感じられ辛かったが、次第に、うじうじするのも飽きて、勇気をひねり出し、パン屋でコーヒーとクロワッサンを買うことにした。
心臓バクバク、どもりながら注文する僕は、店員の怪訝そうな顔でさらに焦るが、なんてことない、呆気なく、拍子抜けするくらいに普通に欲しいものが買えたんである。
パン屋のイートインの座席で、自信をつけた僕は足を組んで、「よしよし、僕ってまわりと馴染んでるぅ。」と得意げに思いながら、肘をつけた右手で携帯をいじり、左手でコーヒーを口に運び、まさにドヤな格好で勝手に悦に入っているなか、コーヒーをズズズっとすすってみると、今まで飲んだコーヒーの中で一番美味しかった。