22 初めての雪をみんなで待った
1年目の思い出 22
冬の授業終わりの夕方、天気も崩れかけてたのですでに真っ暗のなか、なんとなく物悲しい気分で、仲の良いクラスメートとともにいつものように学校近くのカフェにいった時の話です。
その年の冬は暖冬で、結局一度もパリ市内に雪は降りませんでした。
ただ、その日だけはすごく寒くて、もしかしたら!とみんなソワソワして、雨が雪になるのを言葉にはしないけれど、願っていたのは、一度も雪を見たことがないと言う彼女に、それを見せてあげたいっていう思いからだったんですが、次第に、ぼくの方にまで、初めての雪の経験がすぐそこにある、という思いが伝わり、緊張し始めました。
結局、この時はみんなで雪を見ることはできなかったんですが、雪が降るたびに、みんなで雪を待ったカフェでの、あの雰囲気を思い出します。
今年は、パリ市内で交通がマヒするほど雪が積もりました。今もパリに住んで大学生になってる彼女が、この雪をどう思ったのか?を想像すると幸せな気分になります。