パリ漫!ソレコマール

30歳超えて衝動的にフランスのパリに住み始めました。

41 記憶に残る単語の覚えかた

1年目の思い出 41 語学勉強

フランス生活一年目、語学学校の帰り道で仲の良い友人と下手なフランス語での会話はすごく勉強になるし、楽しかった。

覚えられない単語の覚えかた

フランス語を勉強した数年後

 数年ぶり久しぶりに会った彼女は、俺なんかよりずっとフランス語を流暢に扱い、淀むところがないほど、思いをスラスラ口にしていて、同時期に習い始めたにも関わらずずいぶん差を開けられたなと悔しい気持ちはあるものの、彼女が発した一つの単語「amer」は俺がらみの会話や思い出で覚えてくれたんだと思うとなんだか誇らしくて、心がジーンとした。

 その単語が彼女の口から出た瞬間に「地下鉄でamerの唄、歌ったよね。俺がamerって単語教えたじゃん」と言うと、ハテナな表情をされたので、それきっかけで覚えた訳ではなかったと見た。俺の独りよがりだったというわけで少し肩透かしを食ったが、まぁそんなもんである。世の中って。人には人の時間があり、過去があるんだもの。

 とはいえ、俺の方は、この「甘い」や「辛い」「塩辛い」ほども使わない「苦い」という単語を忘れずに今の今まで覚えているのは、あの時、地下鉄で楽しく歌った即興の馬鹿げた唄のおかげで、その唄が記憶のつなぎの役割を果たしてくれてるんだろうと思う。全く彼女には感謝だけど、共有の体験ではなかったことがamerって感じ。