今度はスリ現場を目撃してしまった。
４コマ日記 ◯◯◯◯事情
友人との待ち合わせ時間に遅れないよう、地下鉄のホームを焦って出口を目指して小走りしていると、ヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いてるおじさんを見かけた。彼を通り過ぎて、ふと振り返ってみると、
男が、おじさんの真後ろに立ち、肩からかけたカバンに手を入れて、何か探っているのを見つけた。
咄嗟に、「ムシュー、後ろ、後ろ」と大声で叫ぶと、男は反対側に逃げていき、さらに後ろにいた見張り役の共犯の男とともに消え去るが、こっちは、一度、ついた正義感の火が必要以上に燃え続け、初めて味わうレベルの興奮に行き着いたまま、消し方も分からない。
悠長にヘッドフォンを外し、状況が把握できず、訝しげに僕を見るおじさんに、頭に血が上った状態で状況を説明しようと試みるが、興奮で舌が回らない。泥棒。ムシュー。カバン。男。向こう。行った。という単語とジェスチャーでなんとなく理解してもらえ、おじさんにものすごく感謝された。
ただ、今回はたまたまホームに駅員が何人かいたので、犯人は逃げて行ったけど、場合によっては、声を出すと犯人が逆上して、持ってるナイフで刺しにかかることもよくあるそうなので、もしスリ現場を見たなら、黙って犯人の特徴などを覚えて、駅員に知らせるべきと思う。
あと、自分の時もこのおじさんの時もそうだが、ヘッドフォンをつけてのパリの地下鉄は注意した方がいい。
