フランス式挨拶、ビズ

４コマ日記   ◯◯◯◯事情

フランス式挨拶のビズ（bise)、お互いの頬と頬を合わせて、口でチュッって音を鳴らし、左右のほっぺで交わすこの挨拶に、初めは戸惑いこそしたが、毎回毎回やってると人間慣れてくるもの。しかし、それでもやっぱり、

 

　日本人だけで会う際はもちろん、ビズなどしないが、困るのはフランス人と日本人がいる中でフランス人に対してビズの挨拶をしたあとの日本人にビズやる、やらないせめぎ合い、もしくはビズを求める、求めない葛藤。日本人同士でやるには、一抹のこっぱずかしさがあるっていうもの。基本、日本人にはビスらないと自分ルールを決め込んでるが、それでも生まれる一瞬の間。遠慮と躊躇が積みに積み重なるその瞬間、『この人は日本人とか関係なくビズりたい人なのか？』もしくは、『みんなにやってるのに日本人にしないのは悪いかな』とか。お互いに考え巡らせ、結局、毎回、日本的挨拶に落ち着くんだが、あの間に生まれた積み重ねのエネルギーを無駄にしてしまったと自責の念にかられるより、それをワビ・サビズとでも名付けてその無駄を美学にしてしまおうという提案です。