13 外国人にとってのおみくじ

フランス人と行く日本旅行 13

まずは浅草浅草寺に向かう。とりあえず、ここで日本を体感してもらおうと安直に思って連れて行った。ピエールにとって初めての寺で、大興奮。旅が楽しく無事に終えられるようにとお祈りし、運試しにおみくじをやってみたが、、

 

 

　日本人だって、何気に引いたおみくじが凶なら若干はしまった！と思うが、それでも、何かしらの逃げ道があって、例えば、災い転じて福となる感だったり、この凶を引いた時点が運気の一番の下で後は上昇するのみというような考えがあるので、「凶ひいたよー」って笑いながらおみくじを結んで帰れるってもんだ。

　実際、僕も、大吉が一番なのはもちろんだけど、小吉なんという中途半端なもの引くくらいなら凶の方がまだいいと思う。そっちの方がずっと面白い。けれど、初めての寺、初めてのおみくじで、そういったエクスキューズを全く持ち合わせていないフランス人が凶を引く不憫さったら。おみくじ業界は今後、外国からの観光客の増加を見越して多少、大吉多く入れるとか考えてもいいと思う。あまりに可哀想。

　【願望】叶いにくいでしょう。【病気】おぼつかないでしょう。【待ち人】現れないでしょう。【旅行】悪いでしょう。と読み上げるごとに、顔色の曇るピエール。「でもね、凶をひくってことは幸運なんだよ。災いは幸福に変わるんだから」やら「今が運気が最低なんだから、後はよくなるよ。」という慰めの言葉の説得力のなさ。自分でも言ってて、そりゃないよなって思う。結局「木に結んで帰れば、大丈夫だから」という言葉に従い、ピエール渋々おみくじ結んで、僕に、「これってどのくらいの期間が凶なの？」って聞くので、「３日」と答えておいた。