パリ漫!ソレコマール

30歳超えて衝動的にフランスのパリに住み始めました。

54 となりの偉人賞に決定

1年目の思い出 54

日本人の友人と話していると、おじさんに日本語で話しかけられた。おじさん日本語を勉強しはじめて半年なので、どうしても知ってる単語数も限られてるし、たどたどしかったけれど、それでも会話はなんとなく成立し、おじさんの一生懸命さに好感が持ててしばらく話すことになった。七ヶ国語を話せる男

パリで出会ったエリート弁護士

 こういうのって、簡単そうに見えるけど、なかなか出来るもんじゃない。一般的に言われる【言語は若いうちに学んだ方が良い】というのは、耳がいいとか、柔らか頭で単語が覚えやすいとかじゃなくて、若いうちは失敗して当たり前、たとえ周りのネイティブに笑われようが、つられてこっちも笑ってしまう朗らかさによるものだと思う。これが、年をとる度に、今までの自分の経験がプライドになって、失敗がとても怖くなるし、周りに笑われるのが腹立たしくなるもんだ。

 僕のような社会的地位のない人間ですら、当初はネイティブに子供のようなフランス語を話すのがすごく恥ずかしかった。馬鹿にされるんじゃないかとか、日本語ならお前を言い負かせるのにって何度も何度も思った。ふんぞりかえって指図する側の人なら、僕以上に難しいんじゃないだろうか?新しいことを覚えるのってプライドが傷つくし、今みたいに威張れないし。だんだんみんな自分の型にはまり込み、結果抜けられなくて、自分の型以上のことを見ないフリしちゃう。

 なので弁護士っていう先生と呼ばれる職に就いて、すでに六ヶ国語を話せる人間が、ここまで低姿勢で、素直に、日本語を学んでるのを見て、心底驚いた。あまりに自分や今まで出会ってきた人間と違うので若干、気味が悪かったくらいに。

 ただ、見習いたいとも思うし、すごく尊敬もするけれど、多分、僕には無理だなとすでに諦めてもいる。彼のようにはなれないだろうな。。すご過ぎってことで、僕的となりの偉人賞をあのおじさんに送ります。