パリ漫!ソレコマール

30歳超えて衝動的にフランスのパリに住み始めました。

渾身のお好み焼きをどうぞ

4コマ日記

フランス人を家に招待して、お好み焼きを作ってもてなした。日本から持ってきたカツオ節に青のり、おたふくソースを使って、できる限り忠実に実家のお好み焼きを再現してみた。気に入ってもらえるかどうか不安だったけれど。。

フランスでお好み焼き

バゲットにソースをつける

 お好み焼きとカレーは全人類が好きなものと信じて疑わない日々が俺にあり、フランスに乗り込んで間も無く、確固たる自信を持って友人に振る舞ったが、その自信は半分以上残ったお好み焼きを目の前にして砕け散った苦い思い出。

 どうやら、甘いのと塩辛さが混ざったソースと、カツオ節と出汁の魚風味が気持ち悪かったらしいが、それでもきっと。という思いで、別のフランス人にもふるまってみるがあえなく同じ感想をもらい、甘じょっぱさと魚の風味は日本食として結構ハードルの高いものなのかもと思うに至り、お好み焼きを盲目的に信じ込むのはやめようと心に誓って数年経ってから、覚悟を決めて、渾身のお好み焼きをフランス人に振る舞う機会を得た。

 ドキドキしながら彼の反応を待ち、一口食べて、二口目を続ける箸の進み具合に安堵し、最後に美味しかったと言ってくれた瞬間、お好み焼きがようやく認められたと妙な感動があった。

 すると彼は、おもむろにテーブルに置いてあったバゲットをちぎり、皿に残ったおたふくソース、マヨネーズと青のりとカツオ節がぐちゃぐちゃに合わさった俺の奇跡のソースを浸して食べ始め、それを見た瞬間、彼の背後に「日仏友好」の文字がバンバンバンと浮かび上がり、日本とフランスの間に、おたふくソースのついたバゲットが架けられた音が聞こえた。驚いたけど嬉しかったのは、この橋をかけるのに数年かかったという訳のわからん達成感のせいだと思う。