パリ漫!ソレコマール

30歳超えて衝動的にフランスのパリに住み始めました。

見知らぬ少女の頼みごと

4コマ日記 ◯◯◯◯事情

朝の八時ごろ、携帯にメールが届いた。身に覚えのない番号から。フランスの携帯にはその手の電話やメールはよく来るので、また来たかと思いつつ中身を見てみると、

 間違いメール

 お誕生日にケーキを買ってきて

 フランスの携帯電話の番号は、解約されたらすぐにその番号は新規の人に回されるらしく、頻繁に前の契約者への電話やSMSが来る。その上、海外からの悪徳ワンギリや、営業の電話も多く、このメールを見たとき、思いっきり疑って、いつも通り無視してたものの、内容が内容なだけに、一日中、頭に引っかかり、夕方頃には、訪れない父親とケーキのない誕生日に涙する少女の悲しい顔をした姿が現れ、なんだかそわそわししてしまう。

 いてもたってもいられずに、その日の晩に、「電話番号、間違ってますよ。」とメールしておいたら、すぐに、「教えてくれてありがとう」と返信が入り、頭の中でパパーと喚き散らす少女とようやくお別れすることが出来た。

 これ、もしかすると使用中の電話番号を集めるための罠だったのかもしれないし、返信するときも、今現在もそうとしか思えないんだけれども、罠だとしても寂しそうな少女に頭の中で居座られるよりは、それに引っかかる方が得だと思わせる悪徳業者のやり口はうまいと舌を巻いた。