パリ漫!ソレコマール

30歳超えて衝動的にフランスのパリに住み始めました。

46 字幕なしでフランス映画に挑む

1年目の思い出 46   語学勉強

フランス生活、半年ほど経って、自分の見たかった映画が上映されると知って嬉しいが、ためらってしまうのは、それがフランス映画で、もちろん字幕などついてはいないからだ。けれども、ジャン・ルノワールの十字路の夜、当時はまだ日本版DVDは出ていなかったから、この機会に思い切って行くことにした。

フランス映画を字幕なしで見る

外国映画を理解するのは難しい

 こんなに理解できないとは思ってもみなかった。鑑賞前は、言っても3割半ぐらいの会話は分かるだろうと思ってたし、あらすじを頭に入れていたので、あわよくば半分くらいは理解できたりして、と期待していたのに、この無様な有様は、この半年間、やるだけのことはやってきたという自信を打ち砕くのに十分すぎた。残り98%の果てしなさに学習意欲も削がれるってもんだ。

 実際、この映画1932年公開で録音状態はよろしくなく、フランス人だって聞き取りにくいと言われてるし、映画自体は予想以上にとにかくかっこよかった。全てのショットがスタイリッシュでうっとりさせられるのだから、話の内容など別にどうでも良く、むしろ会話を理解できない方が映画の本質が見えるってもんじゃないだろうか。

 と、帰り際、必死に自分を慰めるが、それはまさしく酸っぱい葡萄で、2%の現実と眼前にそびえ立つ残り98%の道のりを認めたくないという自己防衛だったと思う。この時以来、何度かこの映画は上映されているが、全てスルーしている。この葡萄は美味しいと認められない自分がまだいる。